変額保険はやめたほうがいい?メリットとデメリットを改めて考える

変額保険は、運用実績に応じて保険金の額が増減する仕組みの保険です。本記事では、加入すべきか迷っている方向けに変額保険の仕組みや種類、メリットを解説。「変額保険はやめたほうがいい」と言われる理由や向いている人も説明します。
  • 2022年6月9日
  • 2022年6月8日
変額保険はやめたほうがいい?メリットとデメリットを改めて考える

変額保険は、運用実績に応じて保険金の額が変動するタイプの保険商品です。

加入しようと考えてはいるものの「変額保険はやめたほうがいいのか」と迷っている方は少なくないでしょう。

本記事では、変額保険の種類やメリット、やめたほうがいいと言われる理由を解説します。

変額保険の加入を検討している方、他の運用商品と迷っている方はぜひ最後まで読み進めてください。

変額保険のメリット
  • 死亡保険金は最低保証がある
  • 生命保険料控除の対象
  • インフレに備えられる
変額保険はやめたほうがいいと言われる理由
  • 元本割れするリスクがある
  • 運用と保障の両方にコストがかかる
  • 早期解約すると払込保険料を下回る

※本記事の価格は全て税込みです。

変額保険とは

変額保険

変額保険とは、払い込んだ保険料の一部が株式や債券などで運用され、運用実績に応じた保険金・解約返戻金が支払われる仕組みの保険です。

一般的な生命保険(定額保険)とは違い、運用次第で死亡保険金と解約返戻金の額が増減します。

亡くなったときに支払われる死亡保険金には最低保証があるため、基本保険金額(最低保証金額)を下回ることはありません。

一方、解約返戻金・満期保険金については、運用実績が良くなければ元本割れするリスクがあります。

運用実績が良ければ、払い込んだ保険料を上回る保険金を受け取れるので、老後資金の備えとしても活用できます。

一般的な生命保険との違い

定額保険の場合、支払った保険料は一般勘定という勘定で運用されており、契約時に保険金の額が確定します。

一方、変額保険は特別勘定で運用が行われ、契約時点で受け取る保険金の額が確定しないのが違いです。

  • 一般勘定
    運用実績にかかわらず一定額が給付される保険の資産を管理・運用する勘定
  • 特別勘定
    他の保険種類の資産と区別して管理や運用が行われる勘定

変額保険の種類

変額保険は、保険期間や保険金の受け取り方法により、以下の3種類に分けられます。

項目終身タイプ定期タイプ年金タイプ
保険期間一生涯一定期間一定期間
保険金の種類死亡保険金死亡保険金、満期保険金死亡保険金、年金
保険金の受取方法-一括受け取り年金受け取り
保険料払込み一定期間または一時払い一定期間または一時払い一定期間または一時払い
早期解約によるリスク解約返戻金が元本割れする解約返戻金が元本割れする解約返戻金が元本割れする
運用実績が悪い場合のリスク解約返戻金が元本割れする満期保険金、解約返戻金が元本割れする年金、解約返戻金が元本割れする

終身タイプ

終身タイプの変額保険

終身タイプの変額保険は、生存している限りずっと保障が続きます。

受け取れる保険金は以下2つです。

  • 死亡保険金
  • 解約返戻金

万が一のことがあったときに最低保証のある死亡保険金が支払われるので、家族に遺したい方に適しています。

解約返戻金が支払われるため、老後の備えとしても活用できます。

ただし、早期に中途解約をすると、解約返戻金の額が払い込んだ保険料を下回る可能性が高いので、注意が必要です。

また、契約から一定期間を経過していても、運用実績によっては損をするリスクがあります。

定期タイプ

定期タイプの変額保険

定期タイプの変額保険は、契約時に決めた一定期間保障が続きます。

受け取れる保険金は以下3種類です。

  • 死亡保険金
  • 満期保険金
  • 解約返戻金

保険期間が限られているため、老後資金や学費への備えとして活用できます。

子供の進学のタイミングなど、満期保険金を受け取りたい時期が決まっているときに有効なのが定期タイプです。

死亡保険金には最低保証がありますが、満期保険金と解約返戻金には最低保証がありません。

運用実績が良ければ払い込んだ保険料以上の保険金を受け取れる一方で、運用次第では元本割れするリスクもあります。

年金タイプ

年金タイプの変額保険

年金を定期的に受け取る形式の変額保険です。

死亡保険金には最低保証がある一方で、年金と解約返戻金は運用実績により金額が変わります。

年金額は、年金受取開始後一定額のものもあれば増減するものもあるので、契約内容をきちんと把握しましょう。

保険金を定期的に受け取れるため、老後の備えに適しています。

変額保険はやめたほうがいいと言われる理由

「変額保険はやめたほうがいい」と言われるのには、いくつか理由があります。

変額保険はやめたほうがいいと言われる理由
  • 元本割れするリスクがある
  • 運用と保障の両方にコストがかかる
  • 早期解約すると払込保険料を下回る可能性が高い

元本割れするリスクがある

変額保険はやめたほうがいいと言われる1つ目の理由は、元本割れするリスクがあるためです。

払い込んだ保険料の一部が株式や債券などで運用される仕組みなので、運用次第で保険金の額が変動します。

満期保険金・解約返戻金は、払い込んだ保険料よりも下回る可能性があります。

株価や債券価格、為替の変動などさまざまなリスクがある点を理解しておきましょう。

ただし、死亡保険金については最低保証があるため、運用実績が悪くても最低保証を下回ることはありません。

運用と保障の両方にコストがかかる

お金と植物

変額保険は、投資信託などの純粋な投資商品と比べてコストが高くなります。

株式や投資信託などの運用コストに加えて、保障に関わるコストも発生するためです。

払い込んだ保険料から手数料が差し引かれて運用されるため、手数料が高いほど資産が増えにくくなります。

「変額保険はやめたほうがいい」「保険と運用は分けて行うべき」と言われるのはこういった理由からです。

別の保険商品で備えており保障が不要なら、つみたてNISA口座を利用した投資信託などで運用するほうが、資産は増えやすいでしょう。

変額保険とつみたてNISAはどっちがいい?

つみたてnisa

変額保険とつみたてNISAのどちらがいいか迷っている方も多いでしょう。

つみたてNISAは、年間40万円までの運用で得た分配金や譲渡益が最大20年間非課税になる制度です。

つみたてNISAとは
一定の基準を満たした投資信託での運用で得られる利益が非課税になる制度

つみたてNISA口座で運用できる投資信託は、手数料が安いなど一定の水準を満たした投資信託だけに限られています。

変額保険には保険と運用の機能がありますが、つみたてNISAは投資信託での運用であり、死亡保障はありません。

自分でファンドを選んで投資を行い好きなタイミングで売却できます。

つみたてNISAが向いている方
  • 投資信託のファンドを自分で決めたい方
  • すぐに現金化できる方法をとりたい方
  • すでに死亡保障を用意しており不要な方

変額保険とiDeCoはどっちがいい?

ideco

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、任意に加入できる私的年金のことです。

iDeCoとは
自分が拠出した掛金を運用し、65歳以降に老齢給付金として受け取れる私的年金制度

20歳以上65歳未満の方が加入でき、原則として60歳になるまで引き出すことはできません。

iDeCoのメリットは、掛金全額が小規模企業共済等掛金控除の対象になり、所得税・住民税の負担が軽減される点です。

運用益が非課税になる、受け取る際に所得控除になるなど、変額保険と比べて税制上のメリットが多いという特徴があります。

iDeCoが向いている方
  • 老後資金に備えたい方
  • 60歳まで引き出せなくても問題がない方
  • 節税したい方
個人年金保険とiDeCoどっちがおすすめ?老後資金は自分で用意する時代!

早期解約すると払込保険料を下回る可能性が高い

変額保険は、契約後早期に中途解約をすると解約控除として手数料が差し引かれ、多くの場合払い込んだ保険料を下回ってしまいます。

解約返戻金がほとんど戻ってこない場合もあります。

変額保険は、基本的に長期的な運用を前提とした商品です。加入する際は、長い期間使う予定のない資金を充てましょう。

変額保険のメリット

メリット

変額保険にはメリットもあります。良い面も理解したうえで、自分に合っているかどうかを見極めてくださいね。

変額保険のメリット
  • 死亡保険金には最低保証がある
  • 生命保険料控除の対象
  • インフレに強い

死亡保険金には最低保証がある

変額保険は、運用実績によって保険金の額が変動するタイプの保険ですが、死亡保険金には最低保証があります。

死亡保険金については、運用実績が思うようにいかなくても、あらかじめ決められた最低保証額を下回る心配はありません。

投資信託など運用機能のみの商品と違い、万が一に備えて大きな保障を用意できるのも、変額保険のメリットです。

生命保険料控除の対象

税控除

変額保険で支払った保険料は、生命保険料控除の対象になります。

生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料を支払った場合に、一定額の所得控除を受けられる制度

控除額は、生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料それぞれについて所得税上限4万円・住民税上限2.8万円です(2012年1月1日以後に契約した保険の場合)。

所得税の控除額
年間の支払い保険料控除額
20,000円以下支払保険料の全額
20,000円超40,000円以下支払保険料×1/2+10,000円
40,000円超80,000円以下支払保険料×1/4+20,000円
80,000円超一律40,000円
住民税の控除額
年間の支払い保険料控除額
12,000円以下支払保険料の全額
12,000円超32,000円以下支払保険料×1/2+6,000円
32,000円超56,000円以下支払保険料×1/4+14,000円
56,000円超一律28,000円

生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の3つを合わせて、最大12万円(住民税は最大7万円)の控除が受けられます。

所得税と住民税の負担を軽減できるのは大きなメリットでしょう。

インフレに強い

一般的に、インフレ(物価上昇)が起きると企業の利益が出やすく景気が良くなるため、変額保険の運用実績は良くなりやすいです。

運用実績が良くなると、受け取れる保険金の額が大きくなります。

一般的な生命保険(定額保険)は元本割れのリスクがなく安心ですが、インフレが起きても保険金の額が上がらないため、資産の価値は目減りしてしまいます。

現在100円で買えるジュースの価格が120円に上がると、100円でそのジュースを買うことができなくなりますよね。これは資産の価値が目減りしているためです。

預金や一般的な生命保険と比べて、インフレに強いのも変額保険のメリットです。

変額保険が向いている方

変額保険が向いているのは以下のような方です。

変額保険が向いている方
  • 貯蓄が苦手な方
  • 保障もつけたい方
  • 老後の備えをしたい方
  • 自分で投資先を決めて運用するのが難しい方
  • 長期間使う予定のない資産がある方

毎月自動引き落としで保険料を払い込めるので、貯蓄が苦手な方に適しています。

純粋な投資商品とは違い保障がついているため、自分で投資信託のファンドなどを選ぶのが難しい方や、保障をつけたい方におすすめです。

変額保険はやめたほうがいいという意見もありますが、変額保険の加入が適しているかどうかは個人によりさまざまです。

メリット・デメリットの両面を理解したうえで、変額保険への加入を検討してくださいね。

保険の相談するなら保険工房!