保障は共済に加入すれば十分?|生命保険との違いについても解説

共済と生命保険は、死亡や病気などのリスクに備えられる点は同様です。ただし保険には、保障額の手厚さやカスタマイズ性など、共済にはないメリットがあります。共済と保険、それぞれの特徴を把握したうえで、自分に適した保障を用意しなければなりません。
  • 2022年6月14日
  • 2022年6月13日
保険は共済に加入すれば十分?

共済の魅力はリーズナブルな掛金です。出費を抑えたい方の中には、共済だけで保障を用意しようと思っている方もいるでしょう。

しかし、共済だけでは十分な保障を用意できない可能性があります。

本記事ではその理由や共済の基礎知識、メリット・デメリットを解説します。

「共済と保険の違いは?」という疑問にもお答えするので、ぜひ参考にしてください。

※本記事の価格は全て税込みです。

共済とは

共済は、一定の地域や職域などで構成される団体(協同組合など)がおこなっている事業です。組合員どうしの助け合い(相互扶助)を目的に運営されています。

共済事業

将来発生するかもしれないリスクに備えて、みんなでお金を出し合い、誰かが困ったときにはそのお金で助け合う事業。

具体的には、以下のような仕組みです。仕組み自体は、生命保険と似通っています。

  1. 組合員があらかじめ一定の金額を「掛金」として支払う
  2. 共同の財産を準備する
  3. 不測の事故が発生したときは、その財産から「共済金」を支払う

共済事業の仕組み

画像引用元:共済とは?|こくみん共済 coop

共済は死亡、入院、火災、自然災害、自動車事故など、私たちの生活を脅かすさまざまなリスクに備えられる仕組みです。

共済は、利益を目的としない非営利団体が運営しています。お互いに助け合うための制度であり、加入している組合員への最大の奉仕が目的です。

組合員の負担を最小限にしてサービスを提供するため、家計にやさしい掛金が設定されています。

組合員の要件を満たしていれば、出資金を支払うことで、その団体の組合員になることが可能です。

共済の種類

共済で受けられる保障は、大きく分けて以下の3つです。

共済の主な保障内容
  • 「人」の保障
    死亡時や、病気・ケガによる入院、通院などに備える
  • 「住まい」の保障
    火災や台風・水災・落雷などの自然災害によって受けた損害を保障
  • 「車」の保障
    車の事故による賠償や損害などに備える

また、全国で事業を展開している共済は、主に以下の4種類です。「4大共済」と呼ばれています。

  • 都道府県民共済
  • こくみん共済 coop(全労災)
  • JA共済
  • コープ共済

都道府県民共済

「都道府県民」という名称のとおり、その都道府県に居住もしくは勤務先がある場合に加入できます。

東京に住んでいたら都民共済、埼玉県に住んでいるなら埼玉県民共済です。転居する際は移管手続きをおこなうことで、保障を引き継げます。

こくみん共済 coop(全労災)

正式名称は、全国労働者共済生活協同組合連合会です。

主力の保障として、以下が挙げられます。

  • こくみん共済
  • 住まいる共済
  • マイカー共済 など

こくみん共済は、もともと労働組合の共済活動の組織として誕生しました。今では労働組合に所属していない方でも加入できます。

全国47都道府県に共済ショップを約200ヶ所設けているほか、パソコンやスマートフォンからオンラインで無料相談できるなど、便利な仕組みが整っています。

JA共済

JA共済は、農業協同組合と全国共済農業協同組合連合会が共同で運営・管理をおこなっています。

出資金を支払って「准組合員」になることで、農家でなくとも利用可能です。組合員にならずに加入できる「員外利用」も、一定の範囲内であれば認められています。

申込時の年齢によって掛金が異なり、申込できる年齢上限が75歳~90歳のように高いところが特徴です。

コープ共済

日本コープ共済生活協同組合連合会(コープ共済連)が運営・管理をおこなっています。

お住まいの地域のコープ組合員になる必要があり、生協の店舗で申し込み可能です。

コープ共済は、全国約150の生協で取り扱っています。

転居する場合は、転居先の生協で組合員になることで契約を継続できます。

共済と保険の違い

女性

共済と保険は、あらかじめお金(掛金もしくは保険料)を支払って、死亡や入院などのリスクに備える点はまったく同じです。

しかし、主に以下の4つにおいて違いがあります。

項目共済保険
目的非営利営利
セーフティネットなしあり
根拠法消費生活協同組合法もしくは農業協同組合法保険業法
加入対象者協同組合の組合員とその家族不特定多数

目的の違い

最も大きな違いは、運営元の目的です。

運営元の目的
  • 共済:組合員とその家族への奉仕
  • 保険:加入者を増やして利益を生み出す

共済は、利益を目的としていない非営利団体が運営しています。共済の目的は、組合員やその家族への最大の奉仕です。

それに対して保険は、民間企業などの営利団体が運営しています。

顧客ニーズに沿った商品開発やサービス提供によって、利益を得ることが目的です。

セーフティネットの違い

保険にはセーフティネットがありますが、共済にはありません。

セーフティネットとは?

保険会社が万が一経営破たんした場合、保険契約者を保護する仕組み。

すべての生命保険会社は、金融庁が設立した「生命保険契約者保護機構」に加盟しています。

もし保険会社が破たんしても、契約者は他の保険会社もしくは生命保険契約者保護機構に契約を引き受けてもらうことが可能です。

根拠法の違い

共済と保険では、それぞれ根拠法や監督庁が以下のように異なります。

項目根拠法監督庁
共済都道府県民共済, こくみん共済 coop, コープ共済消費生活協同組合法厚生労働省
JA共済農業協同組合法農林水産省
保険保険業法金融庁

加入対象者の違い

共済と保険は加入対象者が異なります。

加入対象者
  • 共済:地域居住者・勤務者や組合員と家族
  • 保険:居住や所属は問わない

共済の加入対象者は、組合加入の有無や居住・勤務地などにより限定されているのが特徴です。

組合員以外が共済に加入するには、出資金を支払って組合員になる必要があります。

それに対して保険は、不特定多数の人が加入対象。基本的に所属を問わず加入できます。

共済のメリット

デメリット

共済に加入するメリットは以下のとおりです。

共済のメリット
  • 掛金が比較的安い
  • 割戻金がある
  • 掛金が一律

掛金が比較的安い

保険に比べて共済は掛金が安い傾向にあります。

民間の保険会社は営利団体であり、利益を出す必要があるため、共済よりも掛け金が高い傾向です。

一方共済は非営利団体であり、掛金が比較的安く設定されています。

月々1,000〜2,000円で加入できるものも多く、気軽に加入できます。

割戻金がある

共済は非営利団体なので、払い込まれた掛金は「加入者から預かったもの」と考えています。

そのため毎年の決算で剰余金が出た場合、払い込んだ掛金の一部を加入者に還元する仕組みがあります。

このときに戻ってくるお金が、割戻金(わりもどしきん)です。

もともと安い掛金が、割戻金によって実質はさらに安くなります。

割戻金は毎年必ず支払われるわけではありませんが、少しでもお金が戻ってくれば、家計の足しになるでしょう。

掛金が一律

生命保険は年齢や性別ごとに保険料が設定されますが、一部の共済は掛金が一律です。

保険は基本的に年齢が1歳上がるごとに保険料が高くなります。保険加入時に誕生日が近づいていると、焦って加入してしまうこともあるでしょう。

しかし掛金が一律の共済なら心配無用です。

同じ保障内容なら年齢や性別で保険料が変わることはありません。保障内容をじっくりと確認し、納得したうえで加入できます。

共済のデメリット

デメリット

掛金が安く、割戻金を受け取れる共済ですが、マイナス面も理解しなければなりません。

主なデメリットは以下の3つです。

共済のデメリット
  • 保障金額が少ない
  • 保障をカスタマイズできない
  • 終身型が少ない

保障金額が少ない

共済の魅力は掛金の安さですが、そのぶん保険に比べて保障内容が限定されていることがあります。

たとえば、都民共済(東京都)の「生命共済 総合保障型」のコースの主な保障内容は以下のとおりです。

※以下の保障は満18歳〜満64歳の健康な方が申し込めます。

コース
(毎月の掛け金)
病気入院
(1日あたり)
病気死亡
(一時金)
1,000円2,250円200万円
2,000円4,500円400万円
4,000円9,000円800万円

死亡保障は医療保障と違って特約がないため、保障を手厚くすることができません。

死亡保障は、遺された家族の生活費や子どもの学費に関わる重要な保障です。家庭の状況によって、共済の保障だけでは足りない可能性があります。

保障額が不足するようなら、保険の加入を検討したほうがいいでしょう。

保障をカスタマイズしづらい

共済は保障内容がシンプルで、パッケージ化されたプランの中から保障を選ぶスタイルが一般的です。

生命保険のように自分で保障額を細かく設定したり、一部の保障を外したりするカスタマイズがしづらい点もデメリットです。

特約を選べる共済は多いのですが、保険に比べて特約の数が限定されています。

終身型の保障が少ない

生命保険と比べ、共済は保障期間が「終身」の商品が少ないところが欠点です。

高齢になるにつれて加入できる商品が限られたり、満期を迎えると保障が無くなったりします。

一生涯続く保障を用意したいときは、保険も選択肢に入れて検討するのがおすすめです。

生命保険がおすすめな方

保険

共済よりも生命保険がおすすめなのは、以下のような方です。

生命保険がおすすめな方
  • 自分に適した保障をカスタマイズしたい
  • 保険料が高くとも手厚い保障を備えたい
  • 家族のために大きな死亡保障が必要
  • 一生涯続く保障がほしい
  • 幅広い商品の中から選択したい
  • 今の時代にあった最新の保障を利用したい

共済がおすすめな方

人差し指を立てる女性

共済のメリットやデメリットを踏まえ、以下のような方には共済の加入をおすすめします。

共済がおすすめな方
  • できるだけ出費を抑えたい
  • 最低限の保障があればよい
  • 独身もしくは子どもが独立したので、保障は少なくてよい
  • ほかの保険に加入していて、不足分をカバーしたい

ライフステージに適した保障を用意しよう

共済の特徴や、保険との違いについて解説しました。今回の要点を振り返りましょう。

共済の特徴
  • 利益を追求しない非営利団体
  • 組合員とその家族が加入対象
  • 掛金が安く割戻金がある
  • 一部の共済は掛金が一律
  • 保険に比べて保障が限定的

共済は少ない掛金で保障を用意できるのがポイントです。

しかし一家の生計を担う方の場合、共済の保障額では不足するかもしれません。

掛金の安さだけにとらわれず、自分や家族の状況に適した保障を用意しましょう。

ただ、必要な保障額を計算するのは難しいもの。共済や保険選びに労力をかけたくないなら、保険の専門家に相談するのがおすすめです。

希望する条件に沿った保障選びをサポートしてもらえるので、ぜひ利用してみてくださいね。

保険の相談するなら保険工房!