養老保険は、保障と貯蓄がセットになった生命保険です。
万が一に備えながら、将来必要になる資金を準備できるので、子どもの教育資金や老後資金を貯めるのに適しています。
本記事では、養老保険のメリット、デメリットをまとめました。
養老保険が向いている方、そうでない方の特徴も解説しますので、加入の際には参考にしてください。
- 将来の資金を確実に準備できる
- 保険金額と保険期間を自由に設定できる
- 満期保険金を一定期間据え置ける
- 契約期間中は死亡保障がある
- 保険料が割高
- 満期を迎えると保障がなくなる
- 解約返戻金が支払った保険料より少なくなる
- 金利が低い
※本記事の価格は全て税込みです。
養老保険とは
養老保険とは、万が一のときの保障と将来必要になる貯蓄の両方を確保できる保険です。
契約期間中に被保険者が死亡したとき、または高度障害状態になったときには死亡保険金が支払われ、保険期間が満了したときには満期保険金が支払われます。
保険期間は自分で設定できるので、10年、15年など期間を設定するか、60歳、70歳までなど年齢で区切ることも可能です。
また、満期前に解約した場合は、払い込んだ保険料に応じて解約返戻金の支払いがあります。
終身保険との違い
養老保険と同様、終身保険も貯蓄性がある保険なので混同してしまいがちです。
養老保険と終身保険、そして参考までに定期保険との違いを以下のようにまとめてみました。
養老保険 | 終身保険 | 定期保険(参考) | |
---|---|---|---|
保障期間 | 一定期間(自分で設定) | 一生涯 | 一定期間(自分で設定) |
満期保険金 | あり | なし | なし |
解約返戻金 | あり | あり | ない or とても少ない |
保険料 | 極めて高い | 高い | 安い |
- 養老保険には満期がある
- 養老保険は満期保険金がある
- 保険料は養老保険の方が高め
養老保険には満期がある
養老保険は、5年、10年というように保険期間に満期があります。
一方、終身保険はその名の通り、身が終わるまで保障が一生涯続く生命保険です。
終身保険は保障が一生涯続くため、保険期間に満期がありません。
養老保険は満期保険金がある
養老保険は、満期まで加入すると死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れるほか、保険期間中に解約をすると、解約返戻金が受け取れます。
一方、終身保険は満期がないので、満期保険金はありません。
保険料は養老保険の方が高め
養老保険は比較的短い加入期間で、死亡保険と同額の満期保険金を受け取れるメリットがありますが、保険料はかなり割高になります。
保険料は、掛け捨て型と言われる定期保険が最も安く、次いで貯蓄型の終身保険。そして養老保険は最も保険料が高くなることが一般的です。
養老保険のメリット
養老保険に加入すると、以下のようなメリットがあります。
- 将来の資金を確実に準備できる
- 保険金額と保険期間を自由に設定できる
- 満期保険金を一定期間据え置ける
- 契約期間中は死亡保障がある
将来の資金を確実に準備できる
養老保険は、万が一に備えながら払い込んだ保険料を、将来の資金として貯めていく保険です。
保険料を口座引き落としに設定すれば、支払い遅れのリスクも減り、保険の継続もしやすいでしょう。
保険金額と保険期間を自由に設定できる
養老保険は、満期保険金と保険期間を比較的自由に設定できます。
そのため、満期保険金を受け取るタイミングをライフイベントに合わせることが可能です。
子供の進学や自身の退職など、必要になる金額と時期が決まっていれば、逆算して保険料と保険期間を設定できます。
満期保険金を一定期間据え置ける
満期保険金は、満期以降、一定期間据え置くことができます。
据え置ける期間は保険会社によって異なりますが、10年間程度に設定されている場合が多いです。
自分の好きなタイミングで満期金を受け取れるメリットがあるほか、生命保険会社の所定の利率で利息が付くため、満期保険金をさらに増やすことが可能です。
契約期間中は死亡保障がある
養老保険は、保険期間中に亡くなった場合、死亡保険金が受け取れます。
仮に契約してすぐに亡くなったとしても、死亡保険金が受け取れる点は、積み立てにはないメリットと言えるでしょう。
養老保険のデメリット
養老保険には、以下のようなデメリットもあります。
よく理解したうえで加入を検討してください。
- 保険料が割高
- 満期を迎えると保障がなくなる
- 解約返戻金が支払った保険料より少なくなる
- 金利が低い
保険料が割高
養老保険は貯蓄性が高いため、死亡保障のみの生命保険に比べて保険料は割高になります。
将来の資金を貯めることは重要ですが、その代わりに今の生活が潤いのないものになってしまっては、本末転倒です。
必要に応じて定期保険を組み合わせることで、保険料を抑えられます。
満期を迎えると保障がなくなる
養老保険は、設定した保険期間が満了すると、それ以降の保障はなくなります。
また、ほとんどの商品は保険の更新ができません。
また、生命保険は加入者の年齢が上昇すると、保険料も高くなります。再度加入すると加入時の年齢の保険料で契約をするので、保険料は高くなってしまいます。
解約返戻金が支払った保険料より少なくなる
養老保険は、満期前に解約をしても解約返戻金を受け取れますが、その額が払い込んだ保険料を下回る場合が多いです。
また、契約期間が短ければ短いほど、解約返戻金の額はさらに少なくなります。
そのため、養老保険は、一旦加入すると解約や見直しがしにくい保険商品と言えるでしょう。
金利が低い
養老保険は金利が低いため、満期まで加入していれば元本割れはしませんが、大きなリターンは期待できません。
保険の特約を付加すると、満期保険金が払い込んだ保険料を下回るケースもあります。
外貨建て養老保険なら、大きなリターンを得られる可能性があります。ただし、為替レート次第で元本割れの可能性もあるので、注意が必要です。
養老保険が向いている方・向いていない方
養老保険は、誰にでもおすすめなわけではありません。
養老保険が向いている方、向いていない方の特徴を見ていきましょう。
養老保険が向いている方
以下のような方は、養老保険への加入がおすすめです。
- 万が一に備えつつ資産形成したい方
- 自分の好きなタイミングで資金を受け取りたい方
- 貯蓄が苦手な方
万が一に備えつつ資産形成したい方
養老保険は、万が一に備えつつ資産形成したい方に適した保険です。
生命保険の目的は様々ですが、以下のようなものが一般的でしょう。
- 死亡時の葬儀費用
- 遺された家族の生活費
- 子どもの教育費
- 退職後の老後資金
死亡保障と貯蓄をそれぞれ別の保険に加入すると、契約や保険料の支払いで手間が増えますが、養老保険なら両方に備えられるので、効率的です。
自分の好きなタイミングで資金を受け取りたい方
養老保険は、自分の好きなタイミングで資金を受け取りたい方にもおすすめです。
同じように貯蓄性のある終身保険は、資金を受け取るためには保険を解約しなければいけません。
養老保険なら、お金が必要になる時期に合わせて保険期間を設定できます。
また、養老保険には据え置き期間があるので、満期以降に保険金を受け取ることも可能です。
貯蓄が苦手な方
貯蓄が苦手な方にも養老保険が向いています。
毎月保険料を支払うだけで、満期保険金という形で資金を用意できるからです。
また、養老保険は途中解約すると手元に戻るお金が減ってしまうため、解約しづらい特徴があります。
養老保険が向いていない方
養老保険が向いていないのは、以下のような方です。
- 保険料をできるだけ抑えたい方
- 一生涯の保障が欲しい方
- 資金を大きく増やしたい方
保険料をできるだけ抑えたい方
養老保険は貯蓄性が高いため、どうしても保険料が高くなってしまいます。
保障を手厚くするとさらに保険料が上がるので、保険料を抑えて保障を充実させたい方には向いていません。
安い保険料で手厚い保障を準備したい方は、定期保険への加入を検討しましょう。
一生涯の保障が欲しい方
養老保険は、保険期間が満了するとその時点で保障も終了します。
そのため、葬儀費用を生命保険で準備する場合など、保険期間を決めるのが難しいときは、終身保険で準備をすることが一般的です。
資金を大きく増やしたい方
一般的な養老保険は金利が低いため、大きく資産が増えることはありません。
手元資金をより大きく増やしたい方は、株式や投資信託などの投資をするか、外貨建ての養老保険などを検討しましょう。
養老保険を選ぶときのポイント
養老保険を選ぶときのポイントを下記の3つに分けて紹介します。
- 返戻率は100%を超えているものを選ぶ
- 保険料が負担にならないものを選ぶ
- 満期保険金の受け取り方法が目的に合っているものを選ぶ
返戻率は100%を超えているものを選ぶ
返戻率とは、支払った保険料総額に対して、戻ってきた満期保険金の割合のことを言います。
返戻率は「受け取った満期保険金」÷「支払保険料総額」×100で求めることが可能です。
養老保険は死亡保障が付帯しているため、返戻率は100%を下回ることがあります。
養老保険は極力、返戻率が100%を超えるものを選びましょう。
また保険料払込期間を前倒しにしたり、受け取り時期を遅らせるたりすると、返戻率が増える場合があります。
加入前にシミュレーションしてみましょう。
保険料が負担にならないものを選ぶ
養老保険は満期時まで加入していれば、保険料の大半が戻ってくる保険です。
しかし、定期保険や終身保険よりも保険料が割高の傾向があります。
加入の際は、生活の負担にならない保険料に抑えるようにしましょう。
保障の不足が不安なときは、掛け捨ての保険を上乗せするのもおすすめです。
満期保険金の受け取り方法が目的に合っているものを選ぶ
満期保険金の受け取り方法は一括受取の他、分割して少しずつ受け取る年金受取を選択できることがあります。
一括で受け取るよりも、年金受取の方が受取額が大きくなる傾向があります。
例えば子どもの大学の学費のように、満期保険金の使い道が決まっている場合は一括受取がおすすめです。
このようにご自身の目的に合った受け取り方法を選択することが大切です。
ただし、年金受取ができない商品もあるので注意しましょう。
保険のプロに相談して自身の希望に合った商品を探してもらうこともおすすめです。
養老保険に加入するときはデメリットも確認しよう
- 死亡保障を準備しながら資産形成ができる
- 満期保険金がある
- 保険金額と保険期間を自由に設定できる
- 定期保険・終身保険に比べると保険料が高い
- 満期を迎えると保障がなくなる
養老保険は、万が一に備えながら将来の資金を確実に貯められる保険です。
自身のライフイベントに合わせて、必要な時期に必要な資金を効率よく準備できるのは、養老保険ならではのメリットです。
ただし、デメリットもあるため、場合によっては定期保険や終身保険がおすすめの場合もあります。
- 定期保険がおすすめの方:保険料を抑えつつ、一時的に手厚い保障が欲しい方
- 終身保険がおすすめの方:葬儀費用など一生涯の保障で備えたい方
養老保険に加入した後に後悔しないために、まずは保険のプロに相談することも検討してみましょう。